薬効薬理 薬効薬理 薬効薬理 薬効薬理

薬効薬理

作用機序

アダリムマブは腫瘍壊死因子(TNF)に特異的に結合し、細胞表面のp55及びp75TNF受容体とTNFの相互作用を阻害することでTNFの生物活性を中和し、炎症反応を抑制します。

臨床薬理試験

(1)国内健康成人における薬物動態の同等性/同質性検証試験(FKB327-006試験)11)
日本人健康成人130例(本剤群65例、先行バイオ医薬品注)群65例)を対象としたFKB327-006試験において、両薬剤の主要薬物動態(PK)パラメータ(Cmax及びAUC0-4)及び副次PKパラメータ(AUC0-∞、AUC0-360h及びt1/2)はいずれも同等性/同質性の判定基準内であり、日本人において本剤と先行バイオ医薬品注)のPKの同等性/同質性が検証されました。

(2)関節リウマチ患者における本剤と先行バイオ医薬品注)の薬物動態の比較
1)FKB327-002試験(外国人データ)
一定量のメトトレキサート(MTX)を併用する追加治療が必要な活動性の関節リウマチ患者728名を対象としたFKB327-002試験において、本剤又は先行バイオ医薬品注)40mgを2週に1回22週反復皮下投与したときの両薬剤の血清中トラフ濃度を比較した結果、両薬剤の血清中トラフ濃度には顕著な差はないものと考えられました。

注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤

2)FKB327-002試験及びFKB327-003試験の併合解析(外国人データ)13,14)
FKB327-002試験およびFKB327-002試験を完了した関節リウマチ患者645例(本剤群324例、先行バイオ医薬品注)群321例)を対象に、MTX併用下で本剤と先行バイオ医薬品注)40mgを2週に1回反復投与して、両薬剤の血清中トラフ濃度の推移を比較しました。その結果、FKB327-002試験からFKB327-003試験の第Ⅰ期に治験薬の切り替えを行わず本剤又は先行バイオ医薬品注)を1年間反復投与したときの血清中トラフ濃度は類似していました。また、FKB327-002試験からFKB327-003試験で治験薬を切り替えた被験者及びFKB327-003試験の第Ⅰ期から第Ⅱ期で治験薬を切り替えた被験者では、いずれの投与シークエンスにおいても、血清中トラフ濃度推移は概ね一定で、本剤から先行バイオ医薬品注)又は先行バイオ医薬品注)から本剤に切り替えたときの薬物動態への影響は小さいと考えられました。

注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤

免疫原性

1)健康成人における免疫原性11,15)
健康成人を対象とした海外第Ⅰ相試験(FKB327-005試験)及び国内第Ⅰ相試験(FKB327-006試験)において、投与群間で抗薬物抗体(ADA)の経時的な発現割合に差は認めませんでした。また、外国人被験者を対象としたFKB327-005試験と日本人被験者を対象としたFKB327-006試験において、ADAの発現及び抗体価に明らかな民族差は認めませんでした。

2)関節リウマチ患者における免疫原性13,14)
関節リウマチ患者を対象とした海外第Ⅲ相試験(FKB327-002試験及びFKB327-003試験)において、本剤を長期(最大100週間)反復皮下投与(治験薬の切り替え前後を含む)したときの免疫原性は、先行バイオ医薬品注)投与と顕著な差を認めず、本剤と先行バイオ医薬品注)の免疫原性は類似していることが確認されました。

注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤

文献
11)社内資料:健康成人を対象とした第Ⅰ相/臨床薬理試験(FKB327-006試験)
13)社内資料:リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(FKB327-002試験)
14)社内資料:関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相継続投与試験(FKB327-003試験)
15)社内資料:健康成人を対象とした海外第Ⅰ相臨床試験(FKB327-005試験)