臨床成績(海外第III相試験)①
臨床成績
(1)臨床データパッケージ
試験の種類 試験番号 |
目的 | 対象 | 試験デザイン | 薬剤、用法・用量 投与期間 |
---|---|---|---|---|
国内第I相 FKB327-00611) |
薬物動態 安全性 免疫原性 |
健康成人男性(日本人) 合計130例 |
実薬対照(先行バイオ医薬品注1)、無作為化、単盲検、並行群間比較、多施設共同 | 本剤又は先行バイオ医薬品注1 を40mg 皮下注射 単回 |
海外第I相 FKB327-00112) |
安全性 薬物動態 免疫原性 |
健康成人男性 妊娠の可能性のない健康成人女性 合計180例 |
実薬対照(先行バイオ医薬品注1 注2)、無作為化、二重盲検、並行群間比較、単施設 | 本剤、先行バイオ医薬品(米国品)又は先行バイオ医薬品(欧州品)を40mg 皮下注射 単回 |
海外第III相 FKB327-00213) |
有効性 安全性 免疫原性 薬物動態 |
メトトレキサートで効果不十分な中等度・重度の活動性関節リウマチ患者 合計728例 |
実薬対照(先行バイオ医薬品注1)、無作為化、二重盲検、並行群間比較、多施設共同 | 本剤又は先行バイオ医薬品注1を1回40mg 2週に1回皮下注射 24週間 |
海外第III相 FKB327-00314) |
安全性 免疫原性 有効性 薬物動態 |
ランダム化期(第I期) 002 試験を完了し継続投与の選択基準を満たした関節リウマチ患者 合計645例 継続投与期(第II期) 上記ランダム化期から継続 合計572例 |
ランダム化期(第I期) 実薬対照(先行バイオ医薬品注1)、ランダム化、非盲検、並行群間比較、多施設共同 継続投与期(第II期) 非対照、多施設共同 |
本剤又は先行バイオ医薬品注1を1回40mg 2週に1回皮下注射 30週間 本剤を1回40mg 2週に1回 皮下注射 50週間 |
海外第I相 FKB327-00515) |
相対的生物学的利用率 安全性 |
健康成人男女 合計195例 |
ランダム化、非盲検、並行群間比較、単施設 | 本剤(バイアル製剤、プレフィルドシリンジ製剤又はペン製 剤)を40mg 皮下注射 単回 |
*注1 : 米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤 |
文献
11)社内資料:健康成人を対象とした第Ⅰ相/臨床薬理試験(FKB327-006試験)
12)社内資料:健康成人を対象とした海外第Ⅰ相臨床試験(FKB327-001試験)
13)社内資料:リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(FKB327-002試験)
14)社内資料:関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相継続投与試験(FKB327-003試験)
15)社内資料:健康成人を対象とした海外第Ⅰ相臨床試験(FKB327-005試験)
有効性の同等性/同質性評価試験
海外二重盲検比較試験:FKB327-002試験(外国人データ)
13)社内資料:リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(FKB327-002試験)
①試験概要
目的: | 本剤と先行バイオ医薬品注)の有効性・安全性の同等性/同質性を評価する。 | |
試験デザイン: | 多施設共同、実薬対照、ランダム化、二重盲検、並行群間、同等性評価試験 | |
対象: | メトトレキサート(MTX)で効果不十分な中等度又は重度の関節リウマチ患者728例 | |
主な除外基準: | 過去にアダリムマブ/シクロフォスファミドの投与を受けた患者、関節リウマチの治療薬として複数の生物学的製剤又は複数の疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)の投与を受けた患者 | |
投与方法: | 対象を無作為に本剤投与群(本剤群)366例と先行バイオ医薬品注)群362例の2群に割り付け、MTX併用下で本剤又は先行バイオ医薬品注)40mgを2週に1回24週間反復投与した。 | |
評価項目: | 【主要評価項目】 | 投与開始後24週時点でのACR20到達被験者の割合 |
【重要な副次評価項目】 | 24週時点におけるCRPに基づくDAS28(DAS28-CRP)スコアの平均値 | |
【安全性】 | 有害事象 | |
【解析計画】 | 最大の解析対象集団(FAS)を対象とし、Root Cause Imputationを用いて評価した。 |
注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
ACR20/50/70
ACR基準評価が投与前値からそれぞれ20%、50%、70%以上改善した被験者の割合。アメリカリウマチ学会(ACR)が提唱する評価基準では、8項目のコアセット〔①疼痛(圧痛)関節数、②腫脹関節数、③患者による疼痛度の評価、④患者による疾患活動性の全般的評価、⑤医師による疾患活動性の全般的評価、⑥患者による身体機能の評価(AIMS、HAQ 等)、⑦急性期炎症反応物質(赤沈値又はCRP 濃度)、⑧X 線所見等の画像診断法)〕でリウマチの活動性を評価し、①及び②がともに20%(50%、70%)以上改善し、かつ、③〜⑦の5項目のうち、いずれか3項目で20%(50%、70%)以上の改善がみられたとき改善したと判定します。
DAS28-CRP
CRP(C反応性蛋白)を用いた28関節疾患活動スコア。DAS(Disease Activity Score)は、特定の関節における圧痛や腫れの有無、炎症反応をみる血液検査(CRPなど)、患者の身体機能評価をもとに算出します。DASのスコアは、関節リウマチの現在の活動性や症状の程度をあらわし、治療効果を判断するための指標になります。28関節を用いる方法が一般的で、現在の患者の活動性評価として、DAS28≦3.2を低活動性、3.2<DAS28≦5.1を中等度活動性、DAS28>5.1を高度活動性と規定し、治療前後のDAS スコアの変化で治療の反応性を判定し、DAS2.6未満にすることを目標に薬物療法を行います。
②患者背景
対象患者の平均年齢は本剤群53.0歳、先行バイオ医薬品注)群53.6歳でした。
本剤群 N=366 |
先行バイオ医薬品群注) N=362 |
合計 N=728 |
|
年齢(歳) 平均年齢(SD) 65歳未満:被験者数(%) 65歳以上:被験者数(%) |
53.0(12.04) 302(82.5) 64(17.5) |
53.6(12.32) 299(82.6) 63(17.4) |
53.3(12.18) 601(82.6) 127(17.4) |
性別、被験者数(%) 男性 女性 |
85(23.2) 281(76.8) |
78(21.5) 284(78.5) |
163(22.4) 565(77.6) |
人種、被験者数(%) 白人 黒人及びアフリカ系アメリカ人 アメリカインディアン及びアラスカ先住民 アジア人 その他 |
311(85.0) 2(0.5) 1(0.3) 1(0.3) 51(13.9) |
308(85.1) 4(1.1) 1(0.3) 1(0.3) 48(13.3) |
619(85.0) 6(0.8) 2(0.3) 2(0.3) 99(13.6) |
平均身長 cm(SD) | 163.591(9.7184) | 162.999(8.8645) | 163.297(9.3019) |
平均体重 kg(SD)a | 73.337(15.9765) | 73.590(15.6127) | 73.463(15.7863) |
a 事前検査時のデータ |
③結果概要
- 1)
- 主要評価項目:24週時点でのACR20到達被験者の割合
主要評価項目である「24週時点でのACR20到達被験者の割合(95%CI)」は、本剤群74.1%(69.3〜78.5%)、先行バイオ医薬品注)群75.7%(70.9〜80.1%)で、両群はほぼ同様でした。ACR20到達被験者の割合の差の95%CIは-7.9〜4.7%で、あらかじめ設定した同等性許容域(-13%〜+13%)の範囲内で、両剤の同等性が確認されました。
24週時点におけるACR20到達被験者の割合 例数 ACR20到達被験者* 群間差[95%信頼区間] * 欠測理由により補完するRoot Cause Imputation法を用いて解析 本剤 363 74.1%(269/363例) −1.6[−7.9, 4.7] 先行バイオ医薬品 358 75.7%(271/358例)
- 2)
- 重要な副次評価項目:24週時点におけるCRPに基づくDAS28(DAS28-CRP)スコアの平均値
24週時点でのDAS28-CRPスコアの最小二乗平均(LSM)は、本剤群3.43(95%CI:3.29〜3.57)、先行バイオ医薬品注)群3.42(95%CI:3.28〜3.56)で、両群はほぼ同様でした。DAS28-CRPスコアのLSMの差の95%CIは−0.16〜0.18で、同等性許容域(−0.6〜+0.6)の範囲内でした。なお、治験実施計画書に適合した解析対象集団(PPAS)では、24週時点でのDAS28-CRPスコアのLSMは、本剤群3.38、先行バイオ医薬品注)群3.41で、DAS28-CRPスコアのLSMの差の95%CIは−0.21〜0.15と、同等性許容域(−0.6〜+0.6)の範囲内でした。
その他、主な有効性の副次評価項目であるACR20、ACR50、ACR70到達被験者の割合、およびDAS28-CRPの推移は、いずれも本剤群と先行バイオ医薬品注)群で同様でした。
CRP値に基づくDAS28(DAS28-CRP)スコア(FAS) 本剤群
N=363数先行バイオ医薬品注)群
N=358関節リウマチに対する過去の生物製剤の使用、地域、ベースライン時のDAS28-CRPスコア、週、投与群及び週×投与群の交互作用に対し固定効果項をもつ反復測定解析モデルから推定されたLSM及びCI 24週時点
評価対象被験者数(%)
LSM
95%CI
340
3.43
3.29, 3.57
339
3.42
3.28, 3.5624週時点でのLSMの差(本剤 − 先行バイオ医薬品群)
95%CI
95%CIは同等性許容域(-6%〜+6%)の範囲内か?358 0.01
-0.16, 0.18
YesCRP値に基づくDAS28(DAS28-CRP)スコアの平均値(95%CI)の推移(FAS)
- 3)
- 安全性
安全性評価対象(本剤群366例、先行バイオ医薬品注)群362例)に発現した有害事象は、本剤群203例(55.5%)、先行バイオ医薬品注)群223例(61.6%)でした。主な有害事象は、本剤群及び先行バイオ医薬品注)群でそれぞれ、上咽頭炎(26例:7.1%、29例:8.0%)、上気道感染(13例:3.6%、18例:5.0%)、尿路感染(17例:4.6%、11例:3.0%)、高コレステロール血症(15例:4.1%、11例:3.0%)でした。
副作用は、本剤群で74例(20.2%)、先行バイオ医薬品注)群で84例(23.2%)に発現しました。両群合計で最も発現割合の高かった副作用は、注射部位紅斑(本剤群1.4%、先行バイオ医薬品注)群2.2%、以下同順)及び高コレステロール血症(1.6%、1.9%)で、次いで上咽頭炎(1.6%、1.7%)、気管支炎(0.3%、2.2%)、貧血(0.5%、1.7%)でした。
重篤な有害事象の発現割合は、本剤群4.1%、先行バイオ医薬品注)群5.2%で、両群間に大きな差は認められませんでした。器官別大分類(SOC別)の集計では、「感染症および寄生虫症」に属する有害事象の発現率が最も高値でした。
本剤群で1例、死亡に至った副作用が認められました。これは、投与開始後22週時点に本剤の最終投与を受けたあと、治験実施計画書で規定された検査にて播種性結核と診断され、最終投与から約2週間後に死亡した症例で、治験薬との因果関係は、治験担当医師及び治験依頼者とも「関連あるかもしれない」と判断しました。注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
長期有効性・安全性の同等性/同質性評価試験
海外継続投与試験:FKB327-003試験(外国人データ)
14)社内資料:関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相継続投与試験(FKB327-003試験)
①試験概要
目的: | 本剤と先行バイオ医薬品注)の長期投与における安全性、免疫原性、有効性、薬物動態を評価する。 | |
試験デザイン: | 本試験は、第Ⅰ期(本剤/先行バイオ医薬品注)相互の切り替え、30週間)及び第Ⅱ期(本剤への再切り替え、50週間)から構成され、第Ⅰ期(ランダム化期)は多施設共同、実薬対照、ランダム化、非盲検、並行群間比較試験、第Ⅱ期(継続投与期)は非対照、多施設共同試験。 | |
対象: | 第Ⅰ期:FKB327-002試験を完了し、継続投与の選択基準を満たした関節リウマチ患者645例。 第Ⅱ期:第Ⅰ期から継続した572例。 |
|
投与方法: | FKB327-002試験で本剤投与群であった被験者を本剤投与群(本剤群)又は先行バイオ医薬品注)投与群(先行バイオ医薬品注)群)に、また先行バイオ医薬品注)群であった被験者を先行バイオ医薬品注)群又は本剤群に、それぞれ2:1の割合で再割り付けし、MTX併用下で0週から28週までそれぞれ40mgを2週に1回皮下投与した(第Ⅰ期)。その後、すべての被験者にMTX併用下で30週から76週まで本剤40mgを2週に1回皮下投与した(第Ⅱ期)。なお、本剤は第Ⅰ期ではプレフィルドシリンジ製剤(PFS)を、第Ⅱ期は米国以外の患者ではオートインジェクター製剤(AI)を使用した。 |

評価項目: | 【主要評価項目】 | 安全性 |
【副次評価項目】 | ACR20/50/70、CRPに基づくDAS28(DAS28-CRP)スコアの変化量 | |
【その他の評価項目】 | 免疫原性、薬物動態 | |
【解析計画】 | 最大の解析対象集団(FAS)を対象とし、Root Cause Imputationを用いて評価した。 |
②患者背景
対象患者の平均年齢は52.9(18〜93)歳、平均体重±標準偏差は74.6±15.8kgで、女性および白人が大多数(女性77.7%、白人85.6%)を占めていました。65歳以上の割合は、先行バイオ医薬品注)群→先行バイオ医薬品注)群→本剤群(RP-RP-F群)で20.7%と、他の群(11.1〜15.3%)より高かったものの、平均年齢ではRP-RP-F群が54.0歳であったのに対し、他の群では52.1〜52.7歳で、大きな差は認められませんでした。
F-F-F N=216 |
F-RP-F N=108 |
RP-F-F N=108 |
RP-RP-F N=213 |
合計 N=645 |
|
---|---|---|---|---|---|
年齢(歳) 平均年齢(SD) 65歳未満:被験者数(%) 65歳以上:被験者数(%) |
52.7(12.35) 183(84.7) 33(15.3) |
52.1(11.35) 92(85.2) 16(14.8) |
52.3(11.93) 96(88.9) 12(11.1) |
54.0(12.60) 169(79.3) 44(20.7) |
52.9(12.20) 540(83.7) 105(16.3) |
性別、被験者数(%) 男性 女性 |
54(25.0) 162(75.0) |
23(21.3) 85(78.7) |
25(23.1) 83(76.9) |
42(19.7) 171(80.3) |
144(22.3) 501(77.7) |
人種、被験者数(%) 白人 黒人及びアフリカ系アメリカ人 アメリカインディアン及びアラスカ先住民 アジア人 その他 |
187(86.6) 1(0.5) 1(0.5) 1(0.5) 26(12.0) |
90(83.3) 1(0.9) 0 0 17(15.7) |
90(83.3) 2(1.9) 0 1(0.9) 15(13.9) |
185(86.9) 2(0.9) 1(0.5) 0 25(11.7) |
552(85.6) 6(0.9) 2(0.3) 2(0.3) 83(12.9) |
平均身長 cm(SD) | 164.156 (10.2915) |
163.272 (9.1952) |
163.701 (8.3560) |
162.295 (9.0680) |
163.317 (9.4173) |
平均体重 kg(SD) | 74.309 (15.9874) |
74.936 (15.8638) |
75.347 (16.5520) |
74.267 (15.4225) |
74.574 (15.8474) |
F:本剤群、RP:先行バイオ医薬品群 体重はFKB327-002試験の投与開始後24週時点の数字であるが、その他はFKB327-003試験の事前検査時のデータである。 |
注)米国で承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
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