アダリムマブBS「FKB」の治療の進め方
治療開始前に行われる確認事項
アダリムマブBS「FKB」の治療を始める前には、以下のような問診・検査を行います。
これらは、副作用などを防ぎ、より安全に治療を続けていくために重要です。
現在あるいはこれまでにかかったことのある病気
感染症(敗血症、肺炎など)
肝炎(特にB型肝炎)
脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎など)
重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血など)
間質性肺炎
うっ血性心不全
悪性腫瘍
結核(ご家族も含めて)
その他の合併症
服用中のお薬
アレルギーの有無
「生物学的製剤」の治療歴
生ワクチン接種の予定
女性のみ:妊娠・授乳について
ツベルクリン反応検査、インターフェロン-γ遊離試験など
画像検査(胸部X線、胸部CTなど)
血液検査(白血球数、リンパ球数など)
β-D-グルカン検査
血液検査(HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体など)
アダリムマブBS「FKB」を投与できない患者さん
以下の方にはアダリムマブBS「FKB」を投与できません。以下のいずれかに該当する場合には、必ず主治医にその旨お伝えください。
- 敗血症や肺炎等、重篤な感染症を罹患している方
- 活動性結核に罹患している方
- アダリムマブBS「FKB」に含有される成分により過敏症の症状が出た経験のある方
- 多発性硬化症等の脱髄疾患の既往がある方
- うっ血性心不全の方
アダリムマブBS「FKB」の投与方法
お薬の入った注射器で皮下注射します。注射器はシリンジとペンの2つのタイプがあります。
※アダリムマブBS「FKB」を使用しての治療については、主治医の指示に従ってください。
医師の許可があれば、病院やクリニックで注射指導を受けたあと、 患者さん本人が注射する「自己注射」も可能です。
アダリムマブBS「FKB」を投与する部位
腹部(おなか)、大腿部(太もも)または上腕部後ろ側から1ヵ所を選んで注射します。
次のような場所には注射しないでください。
・皮フが赤くなっている部位 ・傷がある部位 ・硬くなっている部位
腹部(おなか)
おへその周囲は避けて 注射してください。
大腿部(太もも)
上腕部後ろ側
ご家族が投与する場合は、
上腕部後ろ側に注射してください。
治療のスケジュール
アダリムマブBS「FKB」の特徴
● 2週間に1回、投与するお薬なので、治療に手間がかかりません。
(疾患により投与スケジュールが異なる場合がありますので、下記をご参照ください。)
● 医師の許可があれば、自己注射が可能です。
関節リウマチの患者さん
アダリムマブBS「FKB」は2週間に1回、40mg(効果不十分の場合は80mg)を皮下注射します。
乾癬の患者さん
アダリムマブBS「FKB」の投与は2週間ごとに、以下のとおりに行います。
・1回目 80mg
・2回目以降 40mg
なお、2回目以降であっても投与の効果が弱まってきた場合には、80mgの投与を行います。
クローン病の患者さん
アダリムマブBS「FKB」の投与は2週間ごとに、以下のとおりに行います。
・1回目 160mg
・2回目 80mg
・3回目以降 40mg
なお、3回目以降であっても投与の効果が弱まってきた場合には、80mgの投与を行います。
潰瘍性大腸炎の患者さん
アダリムマブBS「FKB」の投与は2週間ごとに、以下のとおりに行います。
・1回目 160mg
・2回目 80mg
・3回目以降 40mg
なお、3回目以降は患者さんの状態に応じて40mgを毎週1回または80mgを2週に1回投与することもあります。
ぶどう膜炎の患者さん
アダリムマブBS「FKB」の投与は1回目の1週間後に2回目を、3回目以降は2週間ごとに行います。
・1回目 80mg
・2回目以降 40mg
自己注射を希望する方へ
アダリムマブBS「FKB」は、自己注射を簡単に行うことができるように 工夫が施されています。
自己注射のメリットは以下のとおりです。
通院により生じる時間的な制約や生活への負担を減らすことにより、患者さんそれぞれの生活スタイルに合わせた治療が可能となる。
通院日に拘束されずに、仕事や旅行等の活動を行うことができる。
日常生活の注意点
アダリムマブBS「FKB」の治療を受けている間は、身体の抵抗力が弱まったり副作用が出ることがありますので、体調変化に十分注意してください。また、アダリムマブBS「FKB」の治療が始まったら、体調管理ノートなどにご自分の症状、体調や気になることなどを記録しておき、診察時に主治医に確認してもらいましょう。
感染症を予防するために、外出から帰ったら手洗いやうがいを心掛けましょう。
治療中は「体調管理ノート」を活用して、体調管理に努めましょう。
アダリムマブBS「FKB」治療中の旅行について
旅行の計画をされる際は、ご自身の体調、旅行のスケジュールを含めて必ず医師と相談してください。特に、1週間以上の長期間の旅行や海外旅行をご計画の際には、お薬の携帯方法や体調悪化時の対処方法等について、主治医とも相談し、ゆとりのあるスケジュールを組むように心がけましょう。