潰瘍性大腸炎とはどんな病気?
大腸の粘膜に炎症が起こる慢性の炎症性疾患
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に潰瘍やびらん(粘膜がただれ下部組織が 露出した状態)ができる炎症性の疾患です。
潰瘍性大腸炎の主な症状は、慢性的な下痢や血便、腹痛、発熱、貧血です。潰瘍性大腸炎は、症状の改善(寛解)と悪化(再燃)を繰り返すことが多く、場合によっては、入院や手術が必要になります。病気をコントロールするには、適切な治療によって、できるだけ長く寛解の状態を維持することが大切です。
今のところ完治させる方法は見つかっていませんが、治療薬の開発が進んだことで、安定した日常生活を送れる場合が増えてきました。
潰瘍性大腸炎の原因
さまざまな要因から引き起こされる免疫異常
何が原因で潰瘍性大腸炎になるのかは、まだ完全には解明されていません。しかし、最近の研究によると、遺伝因子や環境因子など複数の要素が組み合わさることで、免疫に異常が起こり、その結果潰瘍性大腸炎が発症するということが分かってきました。
免疫には、体内で作られる「サイトカイン」という物質が複雑に影響しあって、潰瘍性大腸炎の慢性的な炎症を引き起こすといわれています。サイトカインは免疫細胞から作り出されるタンパク質で、全身の炎症反応をコントロールしています。
潰瘍性大腸炎におけるTNFα
免疫にかかわる物質のうち、重要な役割を果たしているのが「TNFα」と呼ばれるタンパク質です。TNFαは、それ自体が炎症を引き起こす(直接作用)だけではなく、他の細胞に働きかけ、炎症を引き起こす別のサイトカインの産生を促す働きを持ちます(間接作用)。そのため、過剰に放出されたTNFαは、様々な臓器や細胞に作用します。そして、炎症を引き起こします。
潰瘍性大腸炎の患者さんの腸管内には、大量のTNFαが産生されます。TNFαは、炎症性サイトカインの一つです。その刺激により腸の粘膜が傷つけられ、下痢や腹痛等の症状が現れます。
そのため、潰瘍性大腸炎を治療する上では、TNFαの働きを抑制することが重要です。それが炎症を鎮めることにつながり、症状の落ち着いた状態(寛解)を長期間持続させることができます。
潰瘍性大腸炎の症状
潰瘍性大腸炎の主な症状は、血便、下痢、腹部不快感、腹痛です。ひどくなると体重減少や発熱などがあらわれます。
また、関節に腫れや痛みがあらわれる関節炎など、さまざまな腸管外合併症がみられることもあります。
主な自覚症状
腸管外合併症
潰瘍性大腸炎治療の目的
潰瘍性大腸炎の治療は、患者さんの生活の質を高めることが目的です。
そのためには、炎症を鎮めることにより、症状の落ち着いた状態(寛解) を長期間持続させることが必要です。
患者さん自身が病気についての理解を深めてください。主治医と一緒にそれぞれの病状や生活スタイルにあった治療法を選択し、病気と上手く付き合いながら治療を進めましょう。
アダリムマブBS「FKB」による治療を進めることにより、症状をコントロールし、充実した毎日を目指しましょう。