クローン病とはどんな病気? クローン病とはどんな病気? クローン病とはどんな病気? クローン病とはどんな病気?

クローン病とはどんな病気?

消化管全体に炎症が起こりうる慢性の炎症性疾患

クローン病は、主に小腸や大腸で慢性の炎症が起こる病気です。炎症は、口の中から肛門まで、消化管全体で起こる可能性があります。

クローン病の主な症状は、慢性的な腹痛、下痢、発熱、嘔吐、体重減少や貧血です。クローン病の特徴として、その進行に伴い、腸管内の合併症や肛門部病変が起こりやすい点が挙げられます。

クローン病は、症状の改善(寛解)と悪化(再燃)を繰り返すことが多く、場合によっては、入院や手術が必要になります。

今のところ完治させる方法は見つかっていませんが、治療薬の開発が進んだことで、安定した日常生活を送れる場合が増えてきました。

※1 狭窄:消化管の内部が狭くなった状態
※2 瘻孔:腸管同士や腸管と内臓(膀胱・膣・皮フなど)とが穴や管でつながり、トンネル状になった状態のこと。

クローン病の原因は?

さまざまな要因から引き起こされる免疫異常

クローン病の原因は、まだ完全には分かっていません。しかし、最近の研究によると、遺伝因子や環境因子など複数の要素が組み合わさることで、免疫に異常が起こり、その結果クローン病が発症するということが分かってきました。

免疫には、体内で作られる「サイトカイン」という物質が複雑に影響しあって、クローン病の慢性的な炎症を引き起こすといわれています。サイトカインは免疫細胞から作り出されるタンパク質で、全身の炎症反応をコントロールしています。

クローン病におけるTNFα

免疫にかかわる物質のうち、重要な役割を果たしているのが「TNFα」と呼ばれるタンパク質です。TNFαは、それ自体が炎症を引き起こす(直接作用)だけではなく、他の細胞に働きかけ、炎症を引き起こす別のサイトカインの産生を促す働きを持ちます(間接作用)。そのため、TNFαが過剰に放出されるとさまざまな臓器や細胞に作用して、炎症を引き起こす原因となります。

クローン病の患者さんの腸管内には、大量のTNFαが産生されます。TNFαは、炎症性サイトカインの一つです。その刺激により腸の粘膜が傷つけられ、腹痛や下痢等の症状が現れます。

そのため、クローン病を治療する上では、TNFαの働きを抑制することが重要です。それが炎症を鎮めることにつがなり、症状の落ち着いた状態(寛解)を長期間持続させることができます。

クローン病の症状は?

炎症が起きた部位によりクローン病の症状は異なりますが、主に慢性的な下痢や腹痛、発熱、嘔吐、体重減少や貧血などがあらわれます。

また、腸管内に敷石像(図1)や、縦走潰瘍(図2)といった特徴的な症状が 見られることも多く、クローン病の診断における重要な所見となって います。